
5月はどんな時期?
5月は夏に向けて徐々に気温が上昇し、過ごしやすくなる時期です。新緑も映え、また多くの花も咲き乱れる季節ですから、散歩やピクニックなどが楽しいシーズンでもあります。
しかし、寒暖差が激しかったり、5月の中旬には沖縄が梅雨入りすることから沖縄寄りの九州や西日本は全体的にぐずついた天気となりやすかったりします。
5月は和風月名では「皐月(さつき)」です。5月が田植えの時期であることにより、皐の字が「神様に捧げる稲穂」の意味を持つこと、田植えの季節の意味がある早苗月(さなえつき)が短くなった、などの説があります。
目次
5月の行事・記念日・イベント一覧
ここからは、5月の代表的な行事や記念日、イベントを紹介していきます。
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メーデー(5月1日)
5月1日は、May Day(メーデー)で、世界各国で行われている労働者の祭典の日です。
日本ではあまり馴染みがありませんが、世界各地ではこの日、労働者たちの集会やパレードが行われています。
もともとはヨーロッパにおいて春の到来をお祝いするお祭りでしたが、19世紀にアメリカで労働者の権利を主張するストライキが行われたことから現在に至り、今では世界80か国以上で祝日とされています。
しかし、日本では11月に同じような意味を持つ勤労感謝の日があること、そしてゴールデンウィークに重なることにより、休日にはなっていません。
八十八夜(5月2日頃)
5月2日前後は、立春から数えてちょうど88日目に当たるのが「八十八夜」です。立春に合わせて日付が変わり、大体5月1日か5月2日になります。
「夏も近づく八十八夜」の歌のとおり、ちょうどこの時期に春から初夏へと移り変わっていきます。
昔はこの八十八夜を目安にして新茶を摘んだり、種まきをしたりしていました。
また、八十八を組み合わせると「米」という字になること、または縁起が良いとされる末広がりの「八」が重なることから、豊作や無病息災、長寿を願う大切な日としてお祝いされていました。
憲法記念日(5月3日)
5月3日は、憲法記念日です。
日本の憲法は1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行されたことから、この日を「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」として休日に定めました。
公布された11月3日は明治天皇の誕生日で、もともと祝日であったことから記念日はせず、またメーデーや端午の節句など様々な議論が重ねられた結果、5月3日となりました。
実はポーランドも同じ5月3日が憲法記念日です。何となく親近感が湧きますよね。
みどりの日(5月4日)
5月4日は、みどりの日です。「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」と定められている国民の祝日です。
4月29日は天皇誕生日として祝日でしたが、昭和から平成に移る際に、長らく祝日であった日が平日になるのは生活に支障が出るだろうということで、みどりの日となりました。
しかし、その後、祝日法改正によって、2007年に4月29日は「昭和の日」となり、みどりの日はもともと国民の休日であった5月4日に移動して今に至ります。
昭和天皇が自然をこよなく愛したことからついた「みどりの日」という名称どおり、自然に親しみ、感謝する日にしたいものです。
こどもの日・端午の節句(5月5日)
5月5日は、こどもの日であり、端午の節句でもあります。
もともとは男の子の健やかな成長をお祝いする日とされていましたが、現在は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日として、国民の祝日となっています。
武家の跡取りの武勲を祈る意味合いがあったことから、今でもかぶと飾りや勇ましい五月人形、こいのぼりが掲げられます。
また「家系が絶えない」という意味を込めた柏餅も定番ですね。また、この時期にはいろんなところでたくさんのこいのぼりにちなんだ行事が行われ、見どころ満載です。
母の日(5月第二日曜日)
毎年日付が変わりますが、5月の第二日曜日は「母の日」です。
母の日の起源は所説ありますが、アメリカの女性が亡くなった母親を偲び、その追悼会において母が好きだった白いカーネーションを飾り、「生きている間に母に感謝を伝える機会を設けるべきである」と語ったことだと言われます。
日本には大正時代に伝わりましたが、本格的に認知度が高くなったのは1937年の「森永母の日大会」以降です。
そして1949年には、5月の第二日曜日が正式に母の日として制定されました。
母親が健在の場合は赤の、鬼籍に入っている場合には白のカーネーションを贈るのが定番です。
葵祭(5月15日頃)
5月15日は『源氏物語』にも登場する葵祭(あおいまつり)です。
葵祭は京都3大祭りの1つで、京都の下鴨神社(賀茂御祖神社)と上賀茂神社(賀茂別雷神社)で行われるお祭りです。
正式名称は「賀茂祭」ですが、両神社の神紋が二葉葵であることから、葵祭と呼ばれています。
5月初旬から流鏑馬(やぶさめ)神事や斎王代女人列御禊(さいおうだいにょにんれつみそぎ)神事などの様々な前儀が行われ、5月15日には平安時代の雅な装束をまとった人々が8キロの距離を練り歩く「路頭の儀」が行われます。
五衣裳唐衣(いつつぎぬものからぎぬ)をまとった斎王代や牛車にも注目です。
梅雨入り(5月下旬から6月初旬)
5月の下旬から6月初旬にかけては、ごくまれに例外はあるものの、基本的には沖縄を皮切りに各地が梅雨へと入っていきます。
梅雨は雨降りや曇天が多くなるいわゆる雨季の一種で、この移り変わりの時期の中日を梅雨入りとし、桜の開花と同様に気象庁が梅雨入りを発表します。
梅雨の語源は、梅の実が熟す頃であるからという説や、カビが生えやすいことから「黴雨(ばいう)」と呼ばれていたものが転じた説、毎日雨が降るから、ということで「毎」から「梅」の字が当てられた説などがあります。
この時期には大雨による災害も起こりやすく、注意が必要だといえます。
運動会(5月から6月)
5月から6月にかけて、運動会が行われるところが多くなっています。
幼稚園や学校で行われる運動会は、以前は9月や10月に行われるのが一般的でした。
しかし最近では、新しいクラスが運動会によって親睦を深められるようにという理由や、熱中症のリスクを避ける、台風の季節を避けるためなどの理由から5月や6月に運動会を行うところが増えてきています。
ちなみに運動会=秋になったのは1964年の東京オリンピックが秋に開催されたことが大きく貢献しています。体育の日として知られていた10月10日は、そのオリンピックの開会式の日でもありました。
田植えの始まり(5月から6月)
5月から6月にかけては田植えも行われます。
5月を意味する皐月(さつき)が、田植えを意味する早苗月(さなえつき)が短くなったものという説もあるように、梅雨と重なるこの時期には田植えが行われ、初夏の風物詩の1つでもあります。
田んぼに水が張られ、整然と苗が植わっている風景は圧巻です。田植えのこの時期には各地で豊作を祈念する「御田植祭」が行われ、観光名所となっているところも多いです。
古くからの伝統ということで、重要無形民俗文化財に指定されているものもあります。
5月の二十四節気「立夏」「小満」とは?
二十四節気とは、春夏秋冬の四季をそれぞれ6つに分けてできる24の期間を指します。
5月5日頃の「立夏」は、その言葉どおり、夏の到来を告げる時季です。
まだまだ初夏といえる時期ですが、暦の上では夏が始まります。陽射しが徐々に強くなり、緑が目にまぶしい季節となってきます。
5月21日頃の「小満」は、草木がすくすく成長し、天地にみずみずしい命が溢れる時季です。
水田には田植え後の早苗が風に揺れており、麦の稲穂は育ちという状況を見て、農民がその順調さにほっと一息つき、小さな満足を得ることから来た言葉だと言われています。
5月に旬を迎える食べ物は?
5月に旬を迎える食べ物は、食感も香りも良いグリーンアスパラガスや、辛みが少なく水分たっぷりの新玉ねぎ、簡単に皮がむけてしまう新ジャガイモなどです。
その他にも、春の旬を迎え「初ガツオ」と呼ばれて重宝されるカツオや、脂ののりが良いマアジも魅力的です。
また、佐藤錦で有名なさくらんぼやお庭でも育てられるびわもおいしい時期です。
特にメロンは、5月から6月は「ハッピー・メロン・シーズン」と呼ばれているほど、たくさんの種類のメロンが出回ります。
5月に旬を迎える花は?
5月に旬を迎える花といえば、母の日前後で色とりどりの花が出回るカーネーションです。
赤やピンクのイメージが強いですが、変わった色合いの花、グラデーションが美しいものなど盛りだくさんです。
そして、同時に注目したいのが、これも母の日のプレゼントとされることが多いあじさいです。
あじさいの種類も豊富で、その色合いや咲き方には目を見張るものがあります。
この時期は花菖蒲やアヤメ、カキツバタも見頃を迎え、その優美な花を咲かせています。
同じく優美さではトップクラスのバラも、5月に見頃を迎え、バラ園には多品種が咲き誇ります。