
6月はどんな時期?
6月は日本各地で梅雨が始まり、蒸し暑さを感じる時期です。
じわじわと気温も高まり、また、梅雨の合間の晴れ間は日差しが強くなるので、夏が近づいていることが肌身で感じられます。気温が上昇し、雨は豊富ということで、植物は活き活きとしてきます。
また、6月は和風月名で「水無月(みなづき)」と呼びます。
この由来は所説ありますが、その漢字の通りに「水が無い」ではなく、「無」が「の」を表している「水の月」が語源になっている説が有力です。そのため「梅雨が終わって水がなくなる季節」だからという、よく耳にする説は後付けの可能性が大きいようです。
目次
6月の行事・記念日・イベント一覧
ここからは、6月の代表的な行事や記念日、イベントを紹介していきます。
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衣替え(6月1日)
6月1日は、冬服と夏服を入れ替える「衣替え」です。
日本の多くの地域において、学校や企業ではこの日を境にして夏服と冬服を入れ替えていきます。ただし、気温が不安定なために移行期間が設けられているところもあります。
家庭では、しまい込んでいた夏服を取り出し、冬服をしっかりお手入れして収納するのがなかなか大変な時期でもあります。
出した洋服のチェックやしわ対策はもちろんですが、今からしまうものは防虫が欠かせません。この時期はその衣替えに備え、ホームセンター等でも防虫剤が多々出回るので、そこからも季節を感じられます。
氷の朔日(6月1日)
旧暦の6月1日は「氷の朔日(ついたち)」と呼ばれます。
まだ冷凍庫がなかった平安時代の人々は、冬にできた氷を「氷室」という場所に保存していました。なかでも、宮中御用達の氷室は日本各地に作られており、夏まで氷を保存できるようにしていました。
そして、氷の朔日になると宮中や幕府にその氷室から氷が献上され、その氷を食べる「氷室の節会(ひむろのせちえ)」を行い、暑気払いをしていたと言われています。
現代でも京都を中心にして、氷に見立てた和菓子を食べる風習があります。
歯と口の健康週間(6月4日から6月10日)
6月4日から6月10日は「歯と口の健康週間」です。
以前は6月4日が「64(むし)」ということで虫歯予防デーとされていましたが、徐々に名称や期間が変更されていき、今に至ります。現在では厚生労働省・文部科学省・日本歯科医師会・日本学校歯科医会が主になって実施しています。
現在では80歳でも20本以上の歯を残そう、ということで「8020運動」も提唱されています。
この時期には歯に関するイベントが多く開催されます。少なくとも年に1回、このイベントにちなんで虫歯検診などの歯の健康チェックをすることも推奨されています。
環境の日(6月5日)
6月5日は、環境保全に対する関心を高め、啓発活動を図る日として国連が定めた「環境の日」です。
1972年6月5日、ストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して定められており、「世界環境デー」とも呼ばれます。
そして、6月は環境月間とされ、環境省や自治体、企業などによって環境に関するセミナーやイベントが開催されています。
国連環境計画では今も毎年記念式典を開き、テーマが発表されています。日本は1999年にホストを務めており、その時のテーマは「Our Earth ? Our Future ? Just Save It!」でした。
世界海洋デー(6月8日)
6月8日は、2009年に始まった、毎年6月8日を国際連合が唱導する「世界海洋デー」です。
世界海洋デーは「世界の海洋を誇りとし、水族館やペットにできる海洋生物自身同様に、魚介類のような海洋製品を提供できることを祝う機会であり、その固有の価値に感謝する機会」とされています。
世界各地で様々な啓発活動がなされていますが、日本ではとりわけ海洋ごみに対する関心が深く、全国一斉清掃活動である「海ごみゼロウィーク」や、海洋ごみを使ったアート作品の発表などが過去に行われています。
時の記念日(6月10日)
6月10日は、漏刻と呼ばれる水時計により、日本で初めて時の知らせが行われたことを記念する「時の記念日」です。
日本の古い書物である『日本書紀』の記載では、671年に天智天皇が唐から伝わった水時計を使って正式に時を計り、人々に時を知らせる鐘鼓を鳴らしたとあります。その日が現在の暦では6月10日だったことから、1920年に「時の記念日」が制定され、盛大に祝われています。
今でも天智天皇をまつる滋賀県の近江神宮では「漏刻祭(ろうこくさい)」が行われており、静岡県の掛川城御殿では、太鼓打ち鳴らし式が実施されています。
入梅(6月11日頃)
6月11日頃は、暦の上で梅雨が始まるとされている「入梅(にゅうばい)」です。
この入梅という言葉は、季節の移り変わりがわかるように設定されている日本独自の暦で、よく耳にする「八十八夜」や「彼岸」などもこの仲間です。
この日から梅雨が始まるというわけではなく、雨期に入ることを、農業をしている人に知らせるために活用されてきたもので、昔の人はこれで田植えの時期などを図り、入梅から田植えを始める機会が多くあったそうです。
この入梅は手紙を書く際の季語としてもよく使われ、時期的には6月11日頃から6月22日頃までを指します。
父の日(6月第三日曜日)
6月の第三日曜日は、父親に対して日頃の感謝を伝える「父の日」です。
父の日の始まりは1909年のアメリカで、アメリカ合衆国に住むドッド夫人が、男手一つで自分を育ててくれた父親をたたえ、「母の日」にならって父親に感謝するために白いバラを贈ったのが始まりとされています。
1910年に初めて父の日の式典が行われてからはどんどん広がっていき、日本には1950年頃に伝わりました。
日本では白のバラではなく、黄色いバラをプレゼントするのが定番となっていますが、ネクタイやハンカチなど、普段使いできるものを贈ることも多いです。
沖縄慰霊の日(6月23日)
6月23日は、沖縄戦等の戦没者を追悼する日として沖縄県が制定している「沖縄慰霊の日」です。
第二次世界大戦末期の沖縄戦において、日本軍による組織的戦闘が終結したことにちなんだ日で、平和を考えるための大切な記念日にもなっており、沖縄では休日となっています。
「沖縄慰霊の日」には沖縄全戦没者追悼式が行われ、それ以外にも慰霊の日の前夜祭、平和の光の柱や灯籠流しや、平和祈願慰霊大行進などのイベントも行われます。
また、多くの人に考えてほしいということから、沖縄県平和祈念資料館や沖縄平和祈念堂の無料公開も行われています。
夏越の祓(6月30日)
6月30日は、1月から6月の間に体に溜まった穢れを落とし、残り半年の息災を願う「夏越の祓(なごしのはらえ)」という神事があります。
神社では、わらやちがやなどで作った、人が通れるくらい大きな「茅の輪」が設置されます。それをくぐることを「茅の輪くぐり」と言い、それで穢れが払われると言われます。また、茅の輪だけでなく、人形(ひとがた)の授与を行う神社もあります。
また、夏越の祓にちなんだ水無月というお菓子も欠かせません。ういろうの上に小豆を乗せた三角形のお菓子は食べると魔除けになるとも言われています。
6月の二十四節気「芒種」「夏至」とは?
二十四節気とは、春夏秋冬の四季をそれぞれ6つに分けてできる24の期間を指します。
6月5日頃の「芒種」は、「芒(のぎ)」のある穀物の種を撒く時期という意味があります。
この聞き慣れない芒とは、イネ科の植物の実の外殻(がいかく)にある“とげのような突起のこと”で、イネ、ムギなどに見られます。
今の暦においては、芒種は梅雨入りと重なることが多く、湿度の高さが感じられる時期です。
6月21日頃の「夏至」は、1年のうちで昼が最も長く、太陽の高さが最も高い日にあたります。
この日を境にして、少しずつ日が短くなっていくと言われていますが、暑さはここからが本番になってきます。
6月に旬を迎える食べ物は?
6月に旬を迎える食べ物は、夏バテを防止してくれる梅です。この時期に梅酒や梅シロップを作る方も多いかもしれません。
他にもさくらんぼやマンゴーもおいしい時期です。
また、野菜ではオクラが旬を迎えます。あのネバネバは疲労回復効果もあり、冷たいめん類にもよく合いますね。
さらに、夏の食卓に欠かせないトマトやキュウリも6月頃から旬を迎えます。
海産物ではプリッとした食感と濃厚な味わいがたまらない岩ガキも旬を迎えます。レモンを搾って豪快に食べるのがおすすめです。
また、イサキもこの時期が旬で、脂のノリが良くなっています。
6月に旬を迎える花は?
5月から6月に旬を迎えるのは、梅雨の鬱陶しさを吹き飛ばしてくれるあじさいです。
色とりどりの花を咲かせ、私たちの目を楽しませてくれます。実はあじさいの花に見える部分は「がく」であり、中心部に小さな花があります。
また、昔から美女を指す「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の中の芍薬や百合もこの時期に咲き誇ります。良い香りと優美な見た目に和む人も多いはずです。
さらに、良い香りといえば安眠効果がある香りを持つラベンダーの花も6月が旬です。北海道では早咲きのラベンダーが見頃を迎え、壮大なラベンダー畑が広がっています。